iモードにLINEを入れてくれ 〜折り畳みケータイからスマホへ。おっさんが抗った10年戦争〜
2025.7.17
はじめに
これは、かつてNECの折り畳みケータイしか信じなかった男が、
LINEという“遊び道具”に押し出されるようにスマホへと転身していった記録である。
時代に抗い、ガラケーを守り、Androidを疑い、iPhoneを避け、
そしてようやく「XperiaとZenfon」にたどり着いた、
“ある中小企業社長”のスマホ遍歴・第一章。
ガラケー信仰という美学
私は長年、NECの二つ折りケータイをこよなく愛していた。手に馴染む折りたたみ、必要十分な機能、
物理キーの快適さ、そしてiモードの完成度──それが私の“通信手段”であり、信念だった。
初代iPhoneが登場しても、私の目にはただの板切れにしか映らなかった。
『こんなもん、何に使うんだ?』
と本気で思っていた。
伝達のズレ
しかし、ある日社員からこう言われた。
『社長、メール見てくれないですやん。』
私:「電話してこいよ。」
社員:「いや……社長、現場にいる時の電話、声が怖いんですよ。」
……この一言が、すべての始まりだった。
私は初めて、“伝達手段のミスマッチ”に気づかされた。
LINEとの遭遇
さらに社員から言われた。
『社長、「LINE」って知ってます?』
私:「は?なんかのケーブルか?」
……実は飲み屋では知っていた。LINEを楽しそうに使っている若い女性たちを、
どこか“遊び道具”として冷ややかに見ていた私にとって、
仕事の現場にLINEが入り込んでくるのは“美学の崩壊”だった。
中華Androidタブレットという地雷
そんな私でも、実はこっそり裏で「Android予習」をしていた。
Amazonで購入した激安中華タブレット──搭載OSはAndroid 1.5 “Cupcake”。
- 動作は紙芝居
- 日本語入力は怪しい
- Google Playなし
- バッテリー1時間
- 何より……文鎮
これで私は完全にAndroid不信に陥った。
それでもLINEの波は止まらない
それでも、現場からのLINE圧力は止まらなかった。
そんなある日、あの社員くんが私の前にスマホを差し出してきた。
彼は弊社の“情報通”であり、IQOSや最新ガジェットを持ち込む張本人である。
その彼が静かに言った。
『社長、これ、見てください。』
そこには会話形式で並ぶLINEのトーク画面。
私:「……確かにこの形式、使えそうだな。」
妙な説得感がそこにあった。
そしてドコモショップへ
次の休日、私はついにドコモショップへ足を運んだ。
ただし、iPhoneは最初から選択肢に無かった。
流行りものが嫌いだったし、カスタマイズ性も物足りなく感じた。
『iPhone=若者や女性向けのおもちゃ』と本気で思っていた。
今振り返れば、ただの偏見に過ぎない。
私が選んだのは──富士通「ARROWS」。
- 日本製
- 赤外線あり
- おサイフケータイあり
- 防水あり
当時の私にとって、“ガラケーから進化したスマホ”として最も信頼できる選択だった。
iモードLINEという最後の抵抗
ちなみに、弊社の期間限定スタッフだった“伝説のおっちゃん”は、
当時「iモードLINE」を本気で使っていた。
- LINEの通知がメールで届く
- 返信はiモードメールで手打ち
──本当にいたんです。LINEを“メールで運用”していた最後の砦が。
現在のスマホ体制とアフィリエイト紹介
あれから10年以上が経ち、今の私は完全にスマホ生活者だ。
メインは「Xperia」、時に「Zenfon」。
そして業務用のサブ機には、実は「Motorola」の廉価モデルも使っている。
※ちなみに、“Xperia”については注意が必要です。
2025年7月に発売されたフラグシップ機『Xperia 1 VII』において、
製造工程上の不具合による電源トラブルが報告され、
一時的に販売停止・出荷停止・無償交換対応が実施されました。
(参考:Impress Watch)
現時点では落ち着いているものの、
「品質安定性」を重視する当方としまして、
今回の記事ではあえて推奨から外しています。
今やスマホは「遊び道具」ではなく「生きる道具」だ。
──なのに、なぜか今の私は、
こんなスマホも手元に置いてある。
……それでも私は、いまだに「iPhone敬遠」だけは崩していない。
嫁が楽しそうにiPhoneをいじっていようが、
娘のスマホがiPhone 16 Proだろうが、
息子が自分でPixel 7aを選んでいようが──
『iモードにLINEを入れてくれよ』
あの頃の美学と反骨精神だけは、まだポケットの中に残っている。
以上、スマホ遍歴・第一章。
『おっさん、スマホに屈する』編。
次回──「ARROWSのその後、そしてZenfoneへの本格移行」へ続く。