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売れない量販店、苦し紛れに“スマあぷ”を作って現場が崩壊した話

2025.7.4

最近、ある家電量販系の現場がざわついている。
「またキャンセルか…」「え、今日も空振り?」という声が、配送センターのあちこちで聞こえてくる。特に週末。午前中。三連休前。決まって同じような気配が漂う。

一体何が起きているのか?

「スマあぷ快適パック(仮)」爆誕

ことの発端は、某家電量販チェーンが満を持して(?)リリースした“付加価値サービス”だ。
その名もスマあぷ快適パック

一言で言えば、「家電をスマホで操作しよう!」という時代の風に乗った便利そうなオプションサービスである。
だがこのスマあぷ、蓋を開けてみるとただのリンク集アプリだった。

「リモコンでテレビつけたいです」と言ったら、「このリモコンであのリモコンを操作してください」と返ってくる感じ。
そう、スマあぷの正体は、各メーカーが昔から出している純正IOTアプリへのポータルでしかない。

見かけは“家電操作のポータル” 実際は“アプリ界の案内所”

スマパは一見、「どの家電もこれ一つで操作できますよ」風の顔をしている。
だが実際には、「お客さん、シャープならこっちのアプリっすよ」「パナの嬢は隣の入り口ね」と別々のドアに案内されるだけの存在。

アプリという名の街にある、やたら丁寧な口調で“各メーカーに振り分けるだけ”の案内所
本番(=操作)は全部、結局メーカー公式アプリ任せ。

利便性?ないない。
それどころか、「二度手間」「登録の手間」「よけいに混乱」という、案内された側だけが損をする仕組み。
これを「快適パック」と呼ぶのは、ある意味ブラックジョークの域。

現場で起きている“スマパ地獄”

このスマあぷ快適パック(通称スマパ)が登場して以来、我々のような現場ワーカーの仕事は明らかにやりづらくなった。
まず、顧客が「何を買ったのか分かっていない」ケースが急増。

そして設置業者の我々は、
「これがスマパでして、えーと、まずこのアプリを立ち上げて…」
「次に、そこに出てるシャープってボタンを押すと、公式アプリに飛びます」
「そっちで会員登録して、ID作って…あっ、そっちはWi-Fiのパスワードが…」
…という、地獄のようなアプリ説明を強いられる。

最悪の場合、ユーザーが「え、もういいです」と言って設置そのものをキャンセルしてくる。

空振り多発、でもそれは“現場のせい”ではない

最近、ある競合他社のスタッフ(まとも寄りの人)が、うちの者にポツリ。

「例のパック付いてる現場、最近キャンセル率エグくないですか?……御社は大丈夫です?」

うちは思わず笑ってしまった。
「いや、うちもやで」

ただし、うちはこの“空振り商法”に10年以上付き合ってる古参組なので、
「またか」で済ませて淡々と別案件に回す耐性がある。
しかも、空振りを想定して午前だけ動く“猛獣軍団”みたいな補完戦力も持っているので、被害が小さい。

上が作った“便利そうな何か”は、下を崩壊させる

このスマパのような仕組みは、「便利そうな見かけ」だけで作られた最たるもの。
ユーザーにとって「嬉しいか?」が置き去りになっている。

もっと言えば、現場で働く側への「説明コスト」「混乱リスク」「責任構造」なども一切考慮されていない。

売れない → 無理に付加価値 → 現場混乱という、まさに販売戦略の末期症状が出ている。

本当は、そんなに難しいことじゃない

スマホでエアコンを操作したり、音声で家電を動かしたり──
そんなIOT家電の操作って、実は“ちゃんと設置して、ちゃんと説明すれば”それほど難しいことではありません。

我々は、量販主導の「余計なパック」や「名ばかりアプリ」ではなく、お客様が“本当に使える状態”にすることを一番大事にしています。

「IOT家電って結局どう動かすの?」「うちにもできる?」
そんな素朴なご相談からでも構いません。

わかる人間が、わかる言葉で、ちゃんとご案内いたします。

ちなみに、私自身もダイキンのエアコンを使っていて、
外出後に「あ!エアコン切り忘れた!」という時、スマホからパッと操作できるのが本当に便利だと日々感じています。

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※本文中に登場する「スマあぷ快適パック」「スマパ」は架空の呼称です。念のため。